1年で最もはがきを出す時期であろう年末年始の年賀状が終わって一息つくと、新年になってまたはがきを出すタイミングがやってきます。
年賀状を出していない人から年賀状が来たお返し、また喪中の人は喪中はがきを出すでしょう。
そんなときに、「寒中見舞い」をかわりに出すというパターンもよくありますね。
でも、寒中見舞いは年賀状のお返しのかわりに本当になるのでしょうか?
また、年賀状とは違う文面にしないといけないのでしょうか?
特に、2020年からコロナ禍が終息していない状況で、どんな文章や言葉を書けばいいのか迷ってしまうことでしょう。
寒中見舞いについての文例や、コロナを考えた書き方についてまとめます。
寒中見舞いのはがきを出す時期はいつからいつまで?その意味とは?
まず、寒中見舞いはいつの時期に出すのかを、あなたはしっかり知っているでしょうか?
「暑中見舞いと真逆の寒さが厳しい季節に出すものではないのか?」「年賀状の時期が終わったころに出すのでは?」となんとなく思っている人が大半でしょう。
寒中見舞いの本来の慣習として出すべき時期とそもそもの意味について、しっかり覚えておきましょう。
時期と意味を覚えることは、書く文例を考えるうえでとても大切なことですよ。
寒中見舞いを出す時期はいつからいつまで?わかりやすい覚え方がある!
一般的に「寒中」とは、二十四節気の小寒から大寒の終わりまでを指す言葉です。
大寒が終わるのは、暦の上で春となる立春の前日となります。
立春を迎えることで寒明けとなり、寒中の時期を抜けてあたたかくなっていくんです。
2023年は小寒が1月5日で立春が2月3日でしたが、2024年は小寒が1月6日で立春は2023年と同じ2月4日となります。
2024年の寒中見舞いは、1月6日から2月4日までに届くのが望ましいですね。
ただ、小寒や立春の日は毎年日付が変わるので、わかりやすくするために寒中見舞いを出すのは松の内(1月7日)があけてから立春までが目安とされることもあります。
立春の日付も毎年変わりますが、立春は2月の頭なので「1月中に寒中見舞いを投函する」と覚えておけば分かりやすいですからね。
もし、相手に届くのが立春以降になってしまうと、寒中見舞いではなく余寒見舞いの時期に入ってしまいます。
必ず、1月中にはがきをポストに入れるか郵便局に持っていくようにしましょう。
2月になってからのあいさつの書き方は、「時候の挨拶の2月中旬や下旬の書き方は?コロナ禍での文例もまとめ!」を参考にしてください。
寒中見舞いを出す意味は?現在は昔と少し変わりつつある?
では、寒中見舞いを送る意味は何なのでしょうか?
寒中見舞いの本来の意味は、真冬の寒い気候の時期に相手の体や健康を気づかって送るものです。
夏の季節に送る暑中見舞いのように、気候が厳しい時期に相手を気づかう意味になります。
ただし、最近は年賀状の出し忘れた人にかわりに送る目的や、喪中はがきのかわりに送る目的も増えているようです。
これは、年賀状の直後の時期に送るものであることから、だんだん年賀状のかわりの役目にもする人が増えてきたのでしょう。
そのため、寒中見舞いのそもそもの意味は、寒さの中で大切な人を気づかって送るものでしたが、年賀状の出しそびれのお返しや喪中はがきのかわりでもマナー上は問題ないです。
>>喪中はがきはいつまでに出す?タイミングより重要なポイントとは?
寒中見舞いは喪中はがきの代わりにできる?年賀はがきは使える?
寒中見舞いは、新年を迎えて数日~1週間が過ぎた松の内や小寒の時期に送るものです。
そのため、喪中のかわりに出すケースもけっこうあります。
喪中のお知らせとして寒中見舞いを出すことは、マナー上まったく問題ありません。
では、寒中見舞いを喪中はがきとして出す場合、どのようなポイントに注意しなければいけないでしょうか?
また、余った年賀はがきを寒中見舞いのはがきとして使うことは問題ないのかについても解説します。
余った年賀状のはがきを使って寒中見舞いを書くのはマナー違反になる?
寒中見舞いを出す際に、新年に余った年賀はがきを使って寒中見舞いを出してもいいのかどうか気になりますね。
せっかく買ったはがきなので、使えるなら有効に使いたいものです。
しかし、残念ながらマナーや慣習の問題で年賀はがきを寒中見舞いのはがきに使うことは相手に失礼に当たります。
寒中見舞いは、小寒や松の内以降に送るものです。
かたや、年賀状は元旦に届くのが理想で、元日を過ぎたとしても松の内までに届くようにするのが慣習になっています。
出していない相手からの年賀状のお返しの場合でも、松の内までに届くようにするのがマナーです。
どうしても松の内までに届かないから、寒中見舞いにするわけです。
つまり、年賀状と寒中見舞いは出す時期が違う挨拶文であり、年賀状のための年賀はがきを寒中見舞いに使うことはマナー違反になってしまいます。
年賀はがきを暑中見舞いや残暑見舞いに使うのがあきらかに不自然であるように、寒中見舞いに使うことも避けるべきなんです。
寒中見舞いには、年賀はがきではなく普通の郵便はがきを使ってください。
余った年賀はがきは、面倒でも郵便局に持っていけば1枚あたり5円の手数料で通常の郵便はがきや切手に交換してもらえます。
ただし、身内に突然の不幸があって喪中となった場合は手数料なしの無料で交換してもらうことができます。
寒中見舞いを喪中はがきとして出す場合のポイントとは?切手にも注意?
寒中見舞いを喪中のお知らせのはがきとして出すこと自体は全く問題ないのですが、注意しなければいけないポイントがあります。
年賀状のような派手で明るいイラストや大きな写真を使った印刷は避けてください。
喪中はがきは、不幸があったために年賀状を出せないことをお詫びするものなので、年賀状のような明るい雰囲気のデザインにするのは良くありません。
写真もできるだけ避けるべきですが、故人の生前の顔写真を小さく入れるくらいなら、受け取る相手次第ではありますが許容範囲のようです。
また、切手を貼る場合でも派手なデザインのものはなるべく使わないようにしましょう。
寒中見舞いの例文まとめ!友人への堅苦しくない挨拶の書き方も解説!
メインとなる寒中見舞いの文面ですが、一般的な書き方として以下のように書けばまず間違いないでしょう。
寒中見舞いの例文はこちらです。
寒中お見舞い申し上げます⇒冒頭のお決まりのあいさつ
松の内は過ぎましたが まだ毎日厳しい寒さが続きますね⇒時候の挨拶文
皆様におかれましては お健やかにお過ごしのことと存じます⇒相手を気づかう言葉
おかげさまで わたくしたち家族一同は元気に暮らしております⇒簡単な近況報告
今年も変わらぬお付きあいのほど どうぞよろしくお願いします⇒締めの言葉
令和6年(もしくは2024年)1月⇒日付
基本的なテンプレートは上のような文例にしておき、相手によってそれぞれの項目部分でもう少し詳しく書くなどの書き分けをしてもいいでしょう。
ただし、あまりに長くなり過ぎないようにしてください。
文章量の目安としては、同じく季節のあいさつである年賀状と同じくらいの文章でいいでしょう。
寒中見舞いを友達に出す場合に、もっとフランクな文章にしたいときは?
上で解説した例文はかなり固くかしこまった文章であり、親しい友人宛に出すのならもうちょっとフランクな感じにしたいと思う時もあるでしょう。
そんなときは、文章を普段その相手に話すような話し言葉にすればいいんです。
さきほどの文章をやわらかくした表現にした例文はこちら。
寒中お見舞い申し上げます
松の内は過ぎましたけど まだ毎日厳しい寒さが続いていますね
みなさんは 健康に過ごしていると思います
おかげさまで わたしたち家族一同は元気に暮らしています
今年も変わらないお付きあいを どうぞよろしくお願いします
令和6年(もしくは2024年)1月
話し言葉でいいとはいっても、ですますの丁寧語で書くようにしましょう。
あまりにもくだけすぎた表現はダメです。
あと、あいさつ文では「。」や「、」の句読点は使わないのが慣習ではありますが、現代では絶対的ではなくなってきています。
寒中見舞いで、喪中はがきとして出す場合の文例は?
寒中見舞いを喪中はがきとして出す場合は、年賀状を出せなかった理由として喪中であることをはっきりと書きましょう。
例文はこちらです。
寒中お見舞い申し上げます
年賀状のご挨拶まことにありがとうございました
皆様がよき新年をお迎えになられたことを心からお喜び申し上げます
昨年〇〇月に〇〇が他界しましたので年始のご挨拶を控えさせていただきました
連絡が行き届いておらず申し訳ございませんでした
本年も変わらず どうぞよろしくお願い申し上げます
令和六年一月
年賀状のお礼と、喪中であることが伝えられていなかったお詫びの言葉を忘れないでください。
喪中のお知らせなので、いつ誰の不幸が理由なのかということもしっかり書いて伝えましょう。
年賀状のお返しのケースでは、返事が遅れたお詫びを一言付け加える
喪中でなくても、年賀状を出していなかった人から松の内ギリギリのタイミングで年賀状が届いてしまったなんてケースもあります。
その場合、相手からの年賀状が松の内ギリギリに届いた状況もあるので、松の内を少し過ぎての返事になってしまうのも許されるパターンはあります。
ただ、松の内を過ぎたことから寒中見舞いでの返事にするのもありです。
(ただし、相手にとってどちらが喜ばしいかは考えて判断してください)
もし寒中見舞いを年賀状の返事にするのであれば、以下のような文面にしてみるといいでしょう。
寒中お見舞い申し上げます
春とは名ばかりの厳しい寒さが続いておりますが いかがお過ごしでしょうか
皆様におきましては ご健勝のこととお喜び申し上げます
丁寧なお年賀状をいただきながら ご挨拶がおくれまして大変失礼いたしました
挨拶が遅れましたことをお許し下さい
寒さの厳しい折から お身体ご自愛ください
令和六年一月
年賀状をきちんと受け取っていること、そして挨拶が遅れたことへのお詫びをしっかり書きましょう。
寒中お見舞いでの返事になってしまったことを、あらためて詫びる必要はないと思います。
寒中見舞いでのお返しにするのは、あくまで相手からの年賀状が松の内ギリギリの時期に来たなど、どうしても間に合わない理由があるときにしてください。
ちゃんと元日に年賀状が届いていたなら、松の内の期間中に年賀状でお返しをするのがマナーですよ。
寒中見舞いのコロナ禍での文例は?メッセージを一言だけ添えよう!
2024年の年明けは、2020年から感染拡大したコロナウイルスの流行が5類に移行して初めての年明けの時期です。
そのため、コロナについて書くべきか悩んだりするでしょう。
特に、冬の寒い時期はインフルエンザもありますし、コロナについても日本ではまだ収束しきっているとは言えません。
そんな状況もあって、コロナについての言葉を書くべきか余計に悩んでしまいますね。
しかし、コロナについて書くかを必要以上に悩む必要はありません。
文例として、以下のような言葉を途中に1つ添えておくくらいで十分です。
- コロナにまだ油断できませんが、みなさまの健康が続くことを願っております
- 冬の厳しい寒さの時期なので、感染予防にお互い気をつけましょう
- 以前のようにお会いできる日が来ることを待ち望んでいます
風邪やインフルエンザの流行について少し書くのと同じような感覚で文章を1つ2つ付け加えておけば大丈夫です。
ただし、相手やその家族がコロナで何らかの影響を受けている場合は、相手を気づかう言葉を選ぶべきですね。
あまり不必要につっこんだ文章を書くと相手の気を悪くしてしまうので、「コロナで大変な思いをされていることに心を痛めております」などの一言でいいでしょう。
寒中見舞いは年賀状と合わせて一年最初の印象を与える挨拶!
寒中見舞いについて、書き出しから結びまでの文例とコロナ禍での書き方についてまとめました。
もう一度、簡単におさらいすると以下になります。
- 寒中見舞いを相手に届ける時期は、松の内(1月7日)から立春の前日まで
- 寒中見舞いを喪中はがきの代わりに出すことはOK
- 喪中のお知らせの場合は、派手なイラストや大きい写真などのデザインはNG
- 親しい友達の場合は話し言葉のようにしてもよい(ただし丁寧語で書く)
- 喪中のお知らせや年賀状のお返しの場合は、遅れたお詫びの言葉を忘れない
- コロナについては特別に気にして書く必要はなく、一言添える程度でよい
寒中見舞いは、年賀状のすぐあとにやり取りする挨拶文であり、年賀状と合わせて一年の最初のあいさつのイメージを持たれやすいです。
年賀状も大切ですが、寒中見舞いも同じくらい大事なあいさつになります。
あなたの一年での最初の印象が、寒中見舞いの内容で決まってしまうかもしれません。
相手との関係性や相手の人柄もうまく見極めて、言葉や内容を選んでくださいね。
そうすれば、きっと今後も良い関係を続けていくことができるでしょう。
立春を迎えて寒中見舞いを出す季節が終わると、余寒見舞いを出す時期になります。
余寒見舞いも合わせて出すことで、相手への印象をより良くできるでしょう。
>>余寒見舞いの2月の挨拶文の書き方は?コロナ禍での文例もまとめ!