土用の丑の日と言えば「うなぎを食べる日」のイメージが一番強い日でしょう。
毎年、夏の土用の丑の日が近くなるとうなぎの宣伝をよく見かけるようになりますね。
しかし、意外と知られていない土用の丑の日の習慣が「土いじりをしてはいけない」というものです。
土をいじることができないということは、園芸とかガーデニング全般をしてはいけないことになりますね。
しかも、単に土を触ることだけでなく、旅行や引っ越しもダメと言われています。
いったい、なぜ土用の丑の日にこんなにいろいろ禁止されているのでしょうか?
また、土用の丑の日に土いじりが禁止されている意外な理由や、どうしても園芸や家庭菜園など土を扱わないといけないときはどうしたらいいのかについても詳しくまとめます。
土用の丑の日と言えば、うなぎを食べる習慣で知られる日
土用の丑の日と言えば、うなぎを食べることで知られていますね。
うなぎを食べるのは江戸時代に始まった風習で、現代でも丑の日と言えばうなぎというのは世の中に広く知られている有名な慣習として受け継がれています。
「土用の丑の日はうなぎを食べる日」と覚えている人も多いでしょう。
夏の土用の丑の日にうなぎを食べる意外な理由、そしてうなぎ以外でおすすめの食べ物は「土用の丑の日の献立とは?うなぎ以外にもおすすめの食べ物があった!」をどうぞ。
土用の丑の日に土いじりをしたらダメな理由や由来は?
土用の丑の日は、うなぎを食べる日であると同時に「土いじりをしてはいけない日」という習慣にもなっています。
うなぎを食べることは知っていても、土いじりが禁止ということは知らない人はたくさんいるでしょう。
でも、なぜ土用の丑の日に土いじりをしてはいけないのでしょうか?
土用の丑の日に土いじりをしない理由は神様が関係していた!
土用の丑の日に土いじりをしてはいけないと言われている理由は、神様を怒らせてしまうからです。
昔から、「土公神(どくじん・どくうじん)」という土を司る神様がいらっしゃると信じられてきました。
土用の時期は、土公神が土の中でゆっくりしているときなので、そのときに人間が不用意に地面をいじってしまうと神様を怒らせてしまうと考えられています。
土用の丑の日というより、土用の時期すべてにおいて土をいじることは控えて、神様をゆっくり休ませてあげましょうという考えなんですね。
神様を怒らせてしまうかもしれないとなれば、それは避けたほうがいいのは当然の慣習です。
土いじりには、家庭での草むしりやガーデニングなどのほかに、建築関係も含まれます。
土いじり以外にも、引っ越しなど新しいことを始めるのも避けるべき?
土用の時期は、土の神様が休む時期なので地面をいじることはタブーで控えるべきと言われて来ました。
ただし、土をいじることだけをやめればいいかというと他にも避けたほうがいいと言われていることがあるんです。
土いじり以外に、新しいことを始めるのも避けたほうがいいと言われています。
新しいことを避けたほうがいい理由は、神様は関係なく季節の変わり目はおとなしくしておこうという考えからです。
土用の丑の日は季節の変わり目なので、体調を崩しやすい時期になります。
昔は医療体制が十分でなかったので、おとなしくして体を休めておこうと考えられたようです。
土用の丑の日は夏だけじゃない!春夏秋冬の年4回の注意が必要
土用もしくは土用の丑の日と言うと、夏をイメージする人が大半でしょう。
しかし、土用は春夏秋冬それぞれにある時期で、年に4回あるんです。
立春・立夏・立秋・立冬それぞれの前の18日間が土用の時期なので、合計72日も土用の時期が来ることになります。
うなぎを食べる夏の土用だけでなく、春夏秋冬それぞれの土用の時期に土いじりや新しいことを控えるように注意する必要しなくてはいけません。
土用の時期に土いじりをしないといけないときは間日にやろう!
土用の時期に土いじりをしてはいけない理由は、神様を怒らせないようにするためです。
しかし、どうしても農作業などの都合で土をいじる作業をしなくてはいけない場合はどうしたらいいのでしょうか?
神様を怒らせてしまって罰が当たってしまうかもしれないと思いながら、ビクビク作業するなんて嫌ですよね。
そこで、土用の時期の中で「間日(まび)」と呼ばれる日に作業をするようにしましょう。
土用の間日とは、土公神が文殊菩薩に招かれて天上に行き、地上にはいなくなると言われている日です。
土公神が天に行っている日なので、地上で土を扱うことが堂々とできるんです。
春夏秋冬の土用の間日は、以下のように暦が決まっています。
- 春:巳・午・酉の日
- 夏:卯・辰・申の日
- 秋:未・酉・亥の日
- 冬:卯・巳・寅の日
それぞれの季節の18日間の土用の時期に3日間ずつ間日があると思いがちですが、18日間に十二支をあてはめており2週目に入ることもあるので、実際は4日~5日の間日があります。
具体的な日程では、たとえば2020年の夏の土用の間日は、7月23日(卯)・7月24日(辰)・7月28日(申)・8月4日(卯)・8月5日(辰)の5日間になります。
間日に作業できないときや、うっかりしたときは神様にきちんと謝ろう
土用の時期に土をいじるときは、なるべく土の神様である土公神がいない間日にしましょうと言われています。
しかし、それでもどうしても都合がつかなくて間日にスケジュールがつかない場合もあるでしょう。
そんなときは、神様にきちんとお詫びの気持ちを持ちながら作業するようにしましょう。
また、うっかり土用の時期に土いじりをしてしまうケースもあると思います。
その時も、神様に「申し訳ございません」と気づいたときに謝りましょう。
きちんと気持ちを持っていれば、きっと神様も多めに見てくれると思います。
暦と習慣をうまく取り入れて土用の時期を過ごそう!
土用の時期に土いじりをしてはいけない理由と、どうしても土を扱わなければいけないときの対処方法について解説しました。
土用の時期は、土の中で土の神様が休んでいる時期であり、土いじりは避けるべきと言われて来ました。
また、季節の変わり目であり新しいことを始めるのも避けたほうがいいと言われています。
どうしても土をいじらなければいけないときは、間日に作業するようにしましょう。
それも難しいようなら、神様にお詫びの気持ちを持てばきっと多めに見てくれるはずです。
昔からの暦や習慣は、その季節や時期をうまく過ごすための知恵として、先人から受け継がれてきている方法です。
うまく知恵を取り入れて、土用の時期を過ごしていきましょう。