メジャーリーグで投手として活躍するダルビッシュ有選手と前田健太選手の2人が、サイヤング賞の候補になったことが発表されました。
2人の日本人選手が候補になったのは、2013年に岩隈久志選手とダルビッシュ有選手が候補になって以来のことです。
もし日本人投手が選ばれたら、長い野球の歴史で史上初の快挙になります。
そんな話題の賞「サイ・ヤング賞」って、いったいどんな賞なのでしょうか?
また、現在までにどんな素晴らしい選手が選ばれて受賞しているのか?
受賞したら、賞金はいくらもらえるのか?
サイヤング賞について詳しくまとめます。
サイヤング賞とはメジャーリーグの最優秀ピッチャーに贈る賞
ダルビッシュ&前田健太、サイ・ヤング賞最終候補に 日本人2人は13年ダル&岩隈以来 pic.twitter.com/wWgT230FHX
— まー (@hosonoma) November 3, 2020
サイ・ヤング賞は、野球の歴史に残る大投手のデントン・トゥルー・ヤング選手の功績を称えて作られたメジャーリーグの賞です。
デントン・トゥルー・ヤング選手は、1890年から1911年まで511勝もの勝利数をあげた大投手なんです。
サイ・ヤングというのは、ヤング選手のニックネームになります。
1955年にヤング選手が死亡され、翌年の1956年にサイ・ヤング賞が創設されました。
当初は全選手の中から1人だけ選ばれていましたが、1967年からはナショナルリーグとアメリカンリーグの2つのリーグからそれぞれ1人ずつ2人の選手が選ばれるようになりました。
簡単に言えば、メジャーリーグの各リーグで最も活躍したピッチャーに贈られる賞です。
日本のプロ野球で言えば、巨人の名ピッチャー・沢村栄治の名前がついた「沢村賞」のようなものですね。
ただ、細かい点で言えば沢村賞は先発投手だけという条件の違いはあります。
受賞するピッチャーの選び方は、野球記者の投票で決められる
サイヤング賞の受賞選手をどうやって選ぶのかですが、全米野球記者協会に所属している60人の記者の投票で決まります。
60人の1人1人が、1位票(7点)、2位票(4点)、3位票(3点)、4位票(2点)、5位票(1点)を投票し、合計点が最も高いピッチャーが受賞選手となるわけです。
どの記者がどの選手に投票したかは、全米野球記者協会の公式サイトでしっかり公表されるので、八百長やヤラセはしっかり防止されます。
野球記者による投票で決まるので、成績の数字だけで決められるわけではありません。
日本の沢村賞は、沢「15勝以上、防御率2.50以下、完投10試合以上、150奪三振以上」という基準がありますが、サイヤング賞は決められた基準は全くありません。
あくまで、記者の投票だけで受賞者を決めるのがサイヤング賞なんです。
サイヤング賞の過去の歴代受賞者のピッチャーは?複数回の受賞もある?
メジャーリーグのピッチャーにとって、最も名誉な賞であるサイヤング賞です。
では、過去にはどんな選手が受賞しているのでしょうか?
第1回サイヤング賞は、ナ・リーグのドン・ニューカム選手が受賞し、その後も名ピッチャーが毎年受賞しています。
複数回の受賞者もいます。
ロジャー・クレメンス投手が1986年から2004年にかけて7回の最多受賞をしており、ほかにも複数回サイヤング賞を受賞した投手は何人もいるんです。
グレッグ・マダックス選手とランディ・ジョンソン選手のように、4年連続で受賞した例もあります。
ここ最近では、去年と一昨年の2018年と2019年にナ・リーグではジェイコブ・デグロム選手が連続受賞をしています。
そのデグロム選手は2020年の受賞候補にもなっており、3年連続のサイヤング賞になるかにも注目が集まっているんですよ。
メジャーリーグのサイ・ヤング賞を日本人が初受賞できるか予想
サイ・ヤング賞の最終候補
ア・リーグはビーバーやろな
ナ・リーグはダルビッシュ取ってほしいけどもバウアー有利といったところか💦 pic.twitter.com/L62use7Yh1— すーさん (@susanAOI_yellow) November 3, 2020
2020年のサイヤング賞は、ナショナルリーグ(ナ・リーグ)とアメリカンリーグ(ア・リーグ)のそれぞれに、ダルビッシュ有選手と前田健太選手が最終候補となっています。
つまり、ア・リーグとナ・リーグそれぞれで日本人選手が選ばれて、2人とも日本人という快挙も可能性としてはあるんです。
今までに、サイヤング賞を日本人選手が受賞したことはメジャーリーグ史上で一度もないですし、アジア人が受賞したことさえないんです。
果たして日本人の初受賞しかも2人同時受賞はあり得るのか?
日本人選手のサイヤング賞の初受賞が実現するかを予想します。
ア・リーグの受賞の本命視はビーバー選手?マエケンは3位の可能性も?
まずア・リーグですが、ファイナリストの3人の選手は以下になっています。
- シェーン・ビーバー選手(クリーブランド・インディアンス)
- 柳賢振選手(トロント・ブルージェイズ)
- 前田健太選手(ミネソタ・ツインズ)
この中では、シェーン・ビーバー投手が最有力と見られており、前田健太投手の受賞はちょっと厳しいかもしれません。
ビーバー選手の8勝1敗と防御率1.63の成績はとても素晴らしいもので、ア・リーグの三冠も確実と言われています。
前田選手が決してダメなわけではなく、ビーバー選手がすごすぎたということですね。
「もしビーバー選手がいなければ、前田選手がサイヤング賞を受賞していただろう」というコメントをした記者もいるくらいです。
ナ・リーグでのダルビッシュ有の受賞は十分に可能性がある?
次にナ・リーグですが、ファイナリストの3人は以下のピッチャーになっています。
- トレバー・バウアー選手(シンシナティ・レッズ)
- ジェイコブ・デグロム選手(ニューヨーク・メッツ)
- ダルビッシュ有選手(シカゴ・カブス)
日本人初の最多勝を獲得したダルビッシュ有投手のサイヤング賞は、前田健太投手より可能性が高いでしょう。
ただ、バウアー選手も受賞の可能性が高いと見られていて、ダルビッシュ選手とバウアー選手のどちらかが受賞するだろうと言われています。
バウアー選手は最優秀防御率のタイトルを獲得していて、その防御率は1.73という素晴らしい成績です。
奪三振数と奪三振率がリーグ2位の成績で、投球内容の良さで圧倒の成績を残しています。
バウアー選手の勝利数は5勝という数字が、ダルビッシュ選手の8勝と比較してどれだけ影響するかが大きなカギとなりそうです。
2020年の今年は、新型コロナウイルスの影響で年間の試合数が60試合と少なくなったので、3勝の違いが例年よりかなり大きくなります。
勝利数か投球のピッチング内容か、それが投票にどう影響するかでサイヤング賞の受賞が決まって来そうです。
ダルビッシュ選手は最多勝の成績で十分に受賞の可能性があるので、ぜひ受賞してほしいですね。
サイヤング賞を受賞したら賞金はいくら?年俸アップもある?
では、サイヤング賞を受賞できた場合、賞金はいくらくらいもらえるのでしょうか?
メジャーリーグでトップのピッチャーがもらえる賞なので、賞金はかなりの金額になりそうなイメージですよね。
でも、調べたところ残念ながらサイ・ヤング賞に賞金はないようです。
日本のプロ野球のピッチャーに贈られる沢村賞では、金杯と賞金300万円が贈られます。
それに対して、サイヤング賞はあくまで名誉のようですね。
ただ、ダルビッシュ投手の場合は、サイ・ヤング賞を獲得したら次の3シーズンで合計600万ドル(およそ6億3000万円)のボーナスをもらえるそうです。
サイヤング賞そのものの賞金ではないものの、沢村賞の300万円とはスケールの違う金額ですよね。
しかも、受賞とならなかったとしても候補での順位が5位以内になったことで、次の3シーズンの年俸に100万ドル(およそ1億円)がプラスされることが決まっているそうです。
サイヤング賞には賞金はないですが、候補になるだけでも相当な功績と言えます。
日本人初の偉業に期待大!サイヤング賞の発表が待ち焦がれる!
ダルビッシュ有選手と前田健太選手の2人が受賞候補となった、サイ・ヤング賞についてまとめました。
2人のどちらかが受賞するだけで、日本人はおろかアジア人でも初めてのサイヤング賞となる素晴らしい快挙となります。
もし2人の同時受賞なら日本人としてすごく嬉しいニュースになりますが、さすがに日本人2人が受賞というのは厳しいかもしれません。
それでも、1人が受賞してくれるだけで日本人初で素晴らしいことです。
日本人ピッチャーが、アメリカのメジャーリーグでもトップになれることをぜひ見せてほしいですね!