新型コロナウイルスの感染拡大によって、マスクの品薄状態が続いています。
マスクを高い価格で転売するなどは言語道断ですが、マスクを購入することさえ難しい人も多いですし、医療従事者など本当に必要なところに回らない問題も出ていますね。
そのため、なるべくマスクをムダに使わないことがとても大切になってきます。
特に、ひだ(プリーツ)が特徴の不織布タイプのマスクは、1日1枚が基本で何日も使うものではないイメージから、いつか使い切ってしまう不安が大きいですね。
手作りマスクの作り方が大きな話題になるのも、使い捨てタイプの不織布マスクがなくなる不安からでしょう。
布を縫って作る手作りマスクは洗って再利用しやすいこともあって便利なので、インターネットのいろんなサイトに作り方が紹介されています
でも、手作りマスクは裁縫が得意でない人だとなかなか作るのにハードルが高いですね。
ミシンの使い方なんてわからないし、手縫いのやり方なんて大昔に学校の家庭科の授業でちょっとやっただけ、なんて人がマスクを1から手作りするのはなかなか難しいでしょう。
そこで、一般的な使い捨て不織布マスクを長持ちさせる3つの方法をまとめます。
布を切ったり縫ったりするなど裁縫の手間が一切かからず、またマスク以外にお金がほとんどかからない方法ですよ。
使い捨ての不織布マスクを長く使う経済的で簡単な3つの工夫
不織布(ふしょくふ)の使い捨てマスクを何日も使い続けるのはちょっと不安、とあなたが思うのは当然のことです。
1つのマスクを何日も使い続けるのは、衛生面や効果の面で心配ですよね。
でも、ちょっとした心がけや工夫で、マスクの使い回しが簡単にできちゃいます。
もちろん、半永久的に使い続けることは無理ですが、2~3回くらいなら優に使いまわすことができるんです。
たとえ1~2回でも使いまわすことができれば、使うマスクの量が半分や3分の1になるので、効果はとても大きいと言えますよね。
不織布マスクを1回限りの使い捨てにしない3つの方法をまとめます。
裁縫の技術もいらず、特別な道具も材料も不要で簡単にできる3つのコツと工夫ですよ。
①マスクを外すときはストラップを持ち、あごにはかけない
1日の中で、食事などで一時的にマスクをはずすことは何回かあるでしょう。
そのたびに新しいマスクにかえていては、1日に何枚もマスクを消費してしまうことになります。
一時的にマスクを外す場面では、つけていたマスクをダメにしないことが基本的なことですがとても重要です。
マスクを短時間だけ外すときは、四角い部分には触らずにストラップを持って外すようにしましょう。
四角い部分にはウイルスが付着していることがあるので、その部分を触ると手にウイルスがついてしまいます。
そのままの手で目や鼻を無意識に触ってしまったら、感染してしまうリスクが高いです。
さらに、つけるときにマスクの内側をさわるのもウイルスが口に入ってしまう原因になってしまって、マスクがダメになるどころかつける意味さえなくなってしまいます。
つけはずしのときは、意識してストラップの部分だけを持つようにしてください。
また、はずしたマスクをあごのところにかける人がいますが、あごにかけるのもやめましょう。
マスクをあげにかけると、あごについているウイルスや汚れがマスクの内側についてしまい、マスクを戻したときに鼻や口にウイルスが入ってしまう危険があります。
衛生面で考えても、マスクをあごにかけるのは避けてくださいね。
はずしたマスクの保管場所ですが、食事位の短時間ならマスクの外側の面を下にしてテーブルに置いておくだけでOKです。
その際、マスクを置く場所をアルコールで拭いて除菌するとか、ティッシュを下に敷いておくともっと清潔です。
さらに、置いたマスクにティッシュをかぶせておくのも、汚れからマスクを守れるので良いですよ。
②ガーゼやキッチンペーパーでマスクにカバーをして使う
コロナウィルス感染防止に要必需品のマスクの手に入りにくさ。使い捨てマスクが一枚でもある場合のみ
縫わずに一枚を使い続ける方法です。
薄手のハンカチにマスクを包んでハンカチのみを洗濯すれば買わずになんとかなります。
ただ、少し厚手になり苦しいと思うかもしれませんが#マスク品薄解消 pic.twitter.com/SHQ5jspSQh— mameko (@77HddLCevaGNlc3) April 14, 2020
マスクを捨てなくてはいけなくなるのは、マスクにウイルスが付着したり、咳やくしゃみで内側がぬれたり汚れたりしてしまうからです。
それを防ぐために、マスクをガーゼやキッチンペーパーなどで包んでカバーする方法があります。
カバーだけを外して洗ったり捨てたりすることができるので、1つのマスクを何日も何回も使いまわすことができます。
やり方の手順は、こちらの動画で詳しく解説されています。
ガーゼやキッチンペーパーをマスクと同じ幅にして包むだけなので、切ったり縫ったりする必要がなく裁縫が得意じゃない人でも簡単にできるのが大きなメリットですね。
デメリットは、マスクにカバーするので分厚くなるのが違和感になったり、少し重く感じたりしてしまう点です。
カバーの感触や重さに慣れるまではちょっとガマンが必要かもしれませんが、慣れてしまえば簡単にできて使いまわし回数も多くできるのでおすすめです。
③不織布タイプのマスクは洗ってOK!長持ちさせる洗い方は?
不織布のマスクは使い捨てのイメージがあるので、ガーゼマスクや布マスクのように洗うことができないイメージをあなたは持っているかもしれません。
実は、不織布のマスクも洗うことができるんです。
使い捨てマスク
ネットに入れて洗濯機で洗うこと2回不織布って強いんですね
まだまだいけます❗️ pic.twitter.com/xuV4n3KXec— fukue (@337379pea) April 17, 2020
「洗ってしまうと、ティッシュペーパーやトイレットペーパーのようにグジャグジャになっちゃいそう・・・」とあなたは思うかもしれません。
そんなことはありません。
1回洗ったくらいでは、グジャグジャになってしまうことはないんですよ。
事実、私の経験でもズボンのポケットにマスクを入れたまま洗濯してしまったことがありますが、マスクはポケットの中から形を保ったまま出てきました。
不織布のマスクの洗い方で、洗濯機でも洗えるという意見があります。
ただ、洗濯機で洗う方法では以下のデメリットがあります。
- 洗う力の強さで破れてしまうことがある
- 洗濯機内の汚れがマスクのフィルターに付着してしまうことがある
- ほかの洗濯物と一緒に洗うと柔軟剤や洗剤の香りがついてしまうことがある
よって、洗濯機で洗うより手洗いをおすすめします。
手洗いと聞くと面倒そうに思うかもしれませんが、マスク1つが入る大きさのボウルや洗面器で簡単にできますよ。
不織布マスクの手洗いの洗い方はこちら。
不織布マスクの洗い方の手順
- 洗面器などに水またはぬるま湯と中性洗剤を数滴入れて泡立てる
- マスクを入れて、手でやさしく押し洗いをする
- 洗ったマスクをきれいな水ですすいで洗剤を落とす
- 清潔なキッチンペーパーなどでマスクの水気を軽く拭き取る
- (できれば室内で)吊るして干して乾燥させる
マスクは薄いので、吊るして干すだけでわりとすぐに乾きます。
仕上げにアイロンを使うのをおすすめしている人もいますが、熱でマスクが溶けてしまった例があるのでやめておいたほうがいいでしょう。
やさしく手洗いすれば、シワもつきにくいのでアイロンを使わなくても大丈夫ですよ。
不織布マスクの洗濯の回数の目安ですが、メーカーによっては10回洗っても大丈夫ということです。
でも、実際は2~3回くらい洗ったあたりからマスクの状態を見て判断していくべしょう。
何回まで洗って使うとあらかじめ決めずに、洗濯後のマスクの状態を見て、残りのマスクの枚数と相談しながら、次に使ったときに捨てるかどうかを判断してくださいね。
不織布マスクは洗濯してもガーゼや布タイプより効果が高い?
不織布の使い捨てマスクを洗濯すると、どうしても気になってしまうのが効果が低くならないかですよね。
洗ってしまうとフィルター効果が低下してしまい、つける意味がなくなりそうに思えます。
でも、最新の不織布マスクは高性能に作られているので、少し洗濯したくらいで効果がゼロになるなんてことはありません。
不織布マスクは家庭用マスクのイメージですが、実はもともと医療用のマスクで、「サージカルマスク」とも呼ばれています。
「サージカル」は「外科の」「手術の」という意味で、その名の通りもともとは外科手術用に使われていたマスクでした。
それが家庭用のマスクとして普及して広く使われるようになりました。
もともと医療用として使われていたマスクなので、フィルター効果はかなり高いわけです。
しかも、少し洗濯したくらいで効果が全くなくなるわけでもありません。
製紙会社で約30年も不織布の研究に携わり、技術士(繊維部門)の国家資格を持つ専門家の方のこんなコメントがありました。
新品で90%以上の捕集効率をうたうマスクを洗濯すると、効率は70%に落ちたが70%より効率は低下はしなかった。一方で布マスクの捕集効率は20~40%。対ウイルス効果を重視するなら、洗った不織布マスクの方がベターかもしれない
不織布マスクは、洗濯しても布マスクより効果が高い実験データがあるということにビックリですね。
もちろん、洗濯することで新品の初期性能より落ちてしまうでしょうし、製造メーカーや個体差によっては布マスクより効果が落ちることもあるでしょう。
それでも、不織布マスクは洗って使いまわすことができるし、その効果は布やガーゼのタイプよりも高いケースもあるんですね。
マスクは自分自身を守るだけでなく、周りに感染拡大させない効果もある
洗濯して使いまわすと効果がどうしても少しは落ちてしまいますが、それはマスクのフィルターがウイルスや花粉を止める効果での話です。
マスクの効果や目的には、つけている本人が感染予防する目的のほかに、周りの人に飛沫感染させない目的もあるんです。
周りに飛沫を飛ばさない「咳エチケット」の効果については、洗濯して使いまわしているマスクでも十分に高い効果がありますよ。
マスクを洗って何日も使うことは、マスクの品薄を防ぐと同時に咳やくしゃみのエチケットを守って感染拡大を防ぐことになりますね。
不織布マスクは毎回使い捨てにせずに長く使うこともできる
不織布のマスクを使い捨てにせずに長持ちさせる3つの方法をまとめました。
コロナウイルスだけでなく、風邪予防や花粉症対策でマスクをたくさん使う人にもおすすめできる方法です。
マスクは1回使ったら捨てる使い切りにするのが、清潔面や効果の面から1番の理想であることは間違いありません。
しかし、世間で品薄状態になったり手持ちのマスクがなくなったりするのは避けないといけません。
そこで、1回でも多く使いまわす工夫も必要になるわけです。
1回多く使うだけで、使うマスクの量が半分になりますからね。
使い捨てのイメージが強いタイプの不織布のマスクだって、汚さないようにしたり洗ったりするだけで使う回数を簡単に増やすことができます。
私たち1人1人がマスクをムダ使いせずに大事に使うことで、世の中にマスクが行き渡りやすくなって感染拡大に貢献することにつながるんですよ。
あなたも、マスクを1回だけで使い切ってばかりでなく、長く使うようにぜひ心がけてみてください。