エアコンを使っていると、ふと急に臭いを感じることがあります。
汗臭いにおいだったり、酸っぱいにおいだったりと、種類はいくつかありますが、急ににおいが来ると心配になりますね。
エアコンの調子が悪いんじゃないか、故障してしまったんじゃないか・・・
特に、しっかり掃除をして間もないのににおいがするとショックや不安が大きいですね。
そこで、エアコンから急ににおいがする原因と、においの取り方の対策法をまとめます。
熱中症予防のためにエアコンを使うことが多くなる夏や、暖房を使う冬の季節に、不安なしで快適にエアコンを活用できるようにしましょう。
エアコンを使うと急に臭い空気がやって来る3つの原因
エアコンのスイッチを入れるまで特に気になるにおいはなかったのに、エアコンをつけたとたん急に臭いを感じた。
このケースの場合は、残念ながらエアコンに原因があるとみて間違いないでしょう。
しかし、大事なのは急に来るにおいがエアコンの故障によるものなのかどうかです。
エアコンなどの家電製品を使うと、そこから変なにおいがしてくると故障が心配になりますよね。
部屋のエアコンの室内機からにおいがするのに、よくある主な原因を3つまとめます。
①エアコン内部のフィルターなどにカビができて臭いを出している
エアコンが臭い原因のほとんどが、中のフィルターなどにできたカビによるものです。
冷房をつけてにおってくるのは、ほとんどがカビのにおいと言っていいでしょう。
そもそも、エアコンの冷房機能は部屋の中の空気を吸い込んで冷やして放出することで室内を涼しくする仕組みです。
部屋の中の空気をエアコン本体がファンで吸い込み、エアコン内部の熱交換器で熱を取って冷たくした空気をまた部屋に戻します。
空気から奪った熱は、室外機から排出されます。
つまり、エアコンが部屋の空気を吸って、空気を冷たくして部屋の中に戻しているんですね。
ですから、エアコンから吹いてくる冷房の風は、もともと部屋の中にあった空気なんです。
部屋の中の空気がエアコンを通って出てきて臭いのは、空気が通ってきたエアコンの中ににおいの原因があるということになります。
においの原因のほとんどが、エアコンの中にあるカビなんです。
エアコンが部屋の空気を冷やすときに内部で水分が発生し、水分にホコリがついてしまうとカビが発生してしまいます。
エアコン内部で発生したカビのにおいが、冷房の風にのってにおってきてしまうんですね。
特に、気温や湿度が高い夏の季節になるとカビが発生しやすくなり、においを感じることが多くなります。
②エアコンの酸っぱい臭いや汗くさい臭いは、冷房での湿度戻りが原因?
エアコンをつけたときに、酸っぱい臭いや汗くさい臭いがする場合は、エアコンの中の熱交換器から「湿度戻り」を起こしているかもしれません。
湿度戻りとは、エアコンの中にたまった水滴が風とともに出てきてしまうことです。
エアコンの冷房は、冷風を出すために部屋の空気を熱交換器で冷やす仕組みを先ほど説明しました。
部屋の空気を取り込んで冷やすときにエアコンの熱交換器のフィンの部分に水滴がつき、水滴がたまるとエアコンの風と一緒に出てきてしまうことがあるんです。
冷房運転で室温が設定温度まで下がると、エアコンは吸い込んだ部屋の空気を冷やすのをやめる「サーモオフ状態」になります。
サーモオフ状態になると、室外機が停止してただの送風になるため、室内機で冷やされてたまっていた空気中の水滴が蒸発して風と一緒に出てくるというわけです。
この「湿度戻り」で戻ってきた水滴には、部屋の中にただよっていた生活臭が混じっています。
たとえば、汗のにおいとかペットのにおいとか、キッチンが近い部屋なら油などのにおいが混じることもあります。
その生活臭が水滴にくっついて風と一緒に出てきてしまうので、酸っぱいにおいや汗臭いにおいがしてくるんです。
特に、冷房を使っているのに湿気が高くジメジメすることが多いなら、湿度戻りを起こしている可能性が高いですね。
③室外機のドレンホースが詰まっていて、においが室内に来てしまう
エアコンをきれいに掃除してカビはないし、湿度戻りも起こしていない。
そんなときは、室外機のドレンホースが詰まっているかもしれません。
室外機のドレンホースが詰まっていると、エアコンの室内機から除湿された水がホース内にどんどんたまり、室内ににおいが逆流してくることもあります。
このケースでは、水の腐敗臭でかなり臭くなるパターンもあるんです。
部屋の中の室内機のほうに問題がなさそうな時は、室外機のドレンホースも一度チェックしてみましょう。
エアコンのにおいが焦げ臭い原因は故障しているリスクが高い
エアコンからのにおいがカビ臭いものだったり、汗臭いにおいや酸っぱいにおいだったらまだ対策のしようがあります。
しかし、エアコンからのにおいが焦げ臭いケースは、エアコンの調子が悪かったり故障していたりする危険性も考えられます。
モーターなどの部品や電気系統がショートして焦げ臭いにおいが出ているかもしれないので、運転を止めてカバーをはずして中をチェックしてみてください。
そのまま使い続けていると、火災の原因になってしまうこともあるので注意してください。
エアコンのお掃除機能にすべて任せっきりはおすすめしない
今のエアコンは、おそうじ機能がついているものが大半です。
使うたびにエアコンが自動でフィルターを掃除してくれるので、とても楽ですね。
でも、おそうじ機能はフィルターだけの部分しか掃除できず、内部までしっかり掃除するわけではありません。
フィルターだけがいくらきれいでも、内部のフィンなどの部分に汚れがたまってしまうと、カビやにおいの原因になってしまいます。
おそうじ機能のほかに「内部クリーン」という機能があるエアコン機種もありますが、これは内部クリーンといっても中をしっかり掃除する機能ではありません。
内部クリーンとは、冷房や除湿の運転でエアコン内部で結露してできた水滴を乾燥させてカビの発生を防ぐ機能です。
つまり、「おそうじ機能」はフィルターの掃除、「内部クリーン」は中を乾燥させると考えればいいでしょう。
どちらにしても、エアコンの内部にあるほこりや汚れまでしっかり掃除できているわけではありません。
エアコンを使うたびに掃除する必要はありませんが、ときどきはちゃんとエアコン内部もちゃんと掃除するようにしましょう。
エアコンのにおいを自宅で除去できる3つの方法
エアコンから急ににおいがする3つの原因についてまとめました。
部品や電気系統の故障でなければ、カビ・湿度戻り・ドレンホースの詰まりの3つが考えられます。
カビを少なくするために効果があるのが、運転後にエアコンの中を乾燥させる内部クリーンですね。
内部クリーン機能がない場合でも、部屋の窓を開けて送風運転をするとかなりの割合のカビがなくなるそうです。
ただし、エアコンの中のほこりや湿度戻りなど、もともとの機能では防ぎきれない原因もあります。
また、消臭スプレーを使う方法もありますが、あくまで消臭スプレーは一時的でまたにおいがしてきてしまいます。
根本的な解決にはなりません。
そこで、エアコンの臭いをしっかり対策する3つの方法を紹介します。
①エアコンのフィルターを外して掃除をし、カビの発生を防ぐ
エアコンにはおそうじ機能や内部クリーン機能がありますが、それだけではカビやほこりをちゃんと取り除くのは難しいです。
ときどきは、エアコンのカバーを開けてフィルターをはずして掃除しましょう。
まず、エアコンのカバーを開けてフィルターを外すときは、必ず電源を切ってプラグをコンセントから抜いてください。
そして、エアコンのフィルターや内部の掃除のやり方を簡単にまとめると以下になります。
- カバーを開けて、フィルターの表面を掃除機で吸ってきれいにする
- フィルターを外して、裏面まで水洗いをして自然乾燥させる
- 吹き出し口やルーバー(風向きを変える羽)をきれいに拭く
- きれいにしたフィルターを取り付けて、送風運転をして完全に乾燥させる
掃除の業者に依頼することもできますが、これくらいの掃除だったら自分自身でも簡単にできますよ。
エアコンのにおいが気になるときは、中を掃除してほこりを取ってあげたりカビを予防したりするようにしましょう。
また、冷房を使うシーズンの終わりや大掃除のときなどにも、定期的にエアコンのカバーを開けて掃除してあげてください。
②エアコンの湿度戻りを防ぐことで臭いもしないようにする
エアコンの湿度戻りでにおいが出ている場合は、カビが発生しているわけでもないので、においと湿度を気にしなければ特に何もする必要はありません。
と言っても、やっぱりにおいは気になりますよね。
エアコンの熱交換器についた水滴が、送風の風とともに部屋に戻ってしまう「湿度戻り」を対策する方法は以下の2つがあります。
- 普段の冷房の設定温度を27℃以下にする
- 部屋の窓を開けて16℃の設定温度で1時間エアコンを冷房運転させる
冷房の設定温度が高めだと、すぐにサーモオフとなってしまって送風運転に切り替わってエアコンの結露が風とともに部屋に戻ってしまいます。
目安として、27度以下の設定温度にしておくことで湿度戻りを起こしにくくできます。
また、部屋の窓(できれば2ヶ所以上)を開けて最低温度の16℃で1時間エアコンを付けっぱなしにすることで、においを改善することができます。
16℃の最低温度で冷房運転することで、エアコン内部についたにおい成分が結露水に溶け込みます。
におい成分が溶け込んだ結露の水分と一緒にエアコンの外へと排出されるため、臭いを改善することができるんです。
ただし、この方法は部屋に人がいるときにやると寒くて大変なので、他の部屋に1時間いるときに実践するようにしましょう。
③室外機のドレンホースの中で詰まりを起こしていないかチェックする
エアコンの室外機のドレンホースが詰まっていると、水がうまく排出できずににおいもたまってしまいます。
ドレンホースの詰まりをチェックして、ついでにホースを簡単に洗うだけでもにおいを改善したり予防したりできますよ。
室外機は意外と気にしていないものなので、ずっと放置せずにときどきは見てみるようにしましょう。
エアコンの急なにおいは汗臭いのや酸っぱいのは故障ではない
エアコンの急なにおいの原因と、その対策方法についてまとめました。
エアコンから急ににおいがしてきたら故障などを心配するかもしれませんが、焦げ臭いにおいでなければすぐに故障を心配する必要はないでしょう。
ただし、エアコンの中にカビが発生していたりほこりがたくさんたまってしまっていることは考えられます。
そのため、カバーを開けて中が汚れていないかチェックしてみてください。
もしエアコンの中がほこりやカビでかなり汚れていたら、おそうじ機能に任せっきりにせずに、人の手でも掃除をしてあげましょう。
(掃除をするときは、電源を切ってプラグをコンセントから抜くことを忘れないでください)
エアコンのにおいの原因のほとんどはカビと言われているので、掃除やお手入れをきちんとすればにおいを改善できますよ。
においを気にすることなく、エアコンを使って快適に熱中症対策をしてくださいね。