2020年9月から、新しいキャッシュレス決済での還元制度「マイナポイント事業」が開始されます。
消費税増税で始まったキャッシュレス消費者還元事業が2020年6月30日で終了し、それにかわる新たなポイント還元システムです。
マイナポイントは、国民1人1人に割り当てられている12ケタの番号「マイナンバー」を使って申し込みができるポイント還元サービスになります。
国の省庁である総務省が主導となり、開始前から前例のないポイント還元率の高さで大きな話題になっています。
でも、マイナポイントってどういう仕組みやシステムなのかいまいちわからないし、チラシやホームページを見ても理解が難しい点もあるでしょう。
この記事では、マイナポイントの仕組みやポイント還元について、そしてメリットのほかにデメリットはないのかまで詳しく解説します。
今まさにマイナポイントを申し込もうか迷っている人には、参考にぜひ読むべき内容ですよ。
マイナポイントとはマイナンバーに紐づけたIDへの還元システム
マイナポイントは、その名前の通り「マイナンバー」を活用したポイント還元サービスです。
マイナンバーでマイキーIDを発行して(これが「予約」となります)、その後に申し込むことができます。
つまり、マイナンバーで発行・取得したマイキーIDがポイントの還元先になるわけですね。
マイナポイント申し込み後に、キャッシュレス決済事業者のサービスを利用したり買い物をしたりすれば、事業者からポイントが還元されます。
予約と申し込みにはマイナンバーカードとスマホアプリが必要
マイナポイントの予約と申し込みには、マイナンバーカードが必須です。
マイナンバーカードを持っていないと、申し込みはもちろん予約もすませておくことができません。
申し込むときに、マイナンバーカードのICチップをスマホアプリに読み取らせないといけないからです。
まだマイナンバーカードを持っていない場合は、まず自治体の役所に申請してカードを交付してもらうことから始めないといけないんです。
また、予約と申し込みには専用のスマホアプリも必要になります。
パソコンから申し込む場合は、マイナンバーカードに対応したICカードリーダライタ(ICカードリーダー)とマイキーID作成・登録準備ソフトが必要です。
最大5000円分の25%もの還元率!いつからポイントがつく?
マイナポイントの最大の特長とメリットと言えば、25%ものポイント還元ですね。
2020年6月までのキャッシュレス消費者還元事業では2%か最大5%の還元率だったので、それと比較して25%は5倍という破格の還元率になります。
申し込みは2020年7月からですが、ポイントが還元されるのは9月からになります。
7月に申し込んですぐに使っても、25%還元のポイントはつかないので気をつけましょう。
ポイント還元キャンペーンは2010年3月まで!以降はカードの用途が増える
25%還元のポイントが付与されるのは2020年9月1日からで、キャンペーンが終了するは2021年の3月になります。
およそ半年間(厳密には7ヶ月)の期間です。
キャッシュレス・ポイント還元が2019年10月の消費税10%増税から2020年6月まで9ヶ月間だったのに対して少し短い期間になっています。
マイナポイントが終了したら、また違うポイント還元サービスが始まるのかもしれませんね。
2021年3月にマイナポイントは終了してしまいますが、3月からはマイナンバーカードがそのまま健康保険証に使えるなど用途が増えます。
ですから、マイナポイントのためにマイナンバーカードを作った場合でも、サービス終了後にはカードの使い道が増えるわけですね。
決済サービスによっては25%の還元にさらにポイントが上乗せされる
マイナポイントは、申込時の5000円分の配布と利用時の25%のポイント還元で大きな話題になりました。
しかし、ポイントの還元は利用金額の25%還元だけではありません。
キャッシュレスサービスによっては、25%のポイント還元にさらに上乗せされてポイントが付与されます。
主なキャッシュレスサービスの追加ポイント一覧まとめを表にしたものがこちら。
サービス名 | 追加ポイント |
---|---|
LINE Pay | 加盟店で利用できるクーポンが毎月5枚を3ヶ月間もらえる(15枚すべてが同じクーポンではない) |
ゆうちょPay | 新規ユーザーで2000円分のポイント、既存ユーザーで1500円分のポイントが上乗せ |
Suica | JRE POINTを1000ポイント上乗せ |
d払い | 追加で500円分上乗せ(期間・用途限定) |
FamiPay | 先着10万人に追加で500円分プレゼント |
メルペイ | 本人確認でメルカリの買い物で最大1,000ポイント(5%還元) |
WAON | 最大2,000円分(10%還元) |
サービスによって、お得度が違うのでよく比較して選んでください。
上乗せ分の金額が違うのはもちろんですが、上乗せ分のポイントのもらい方も違います。
ゆうちょPayやSuicaは、申し込みした時点で全員に上乗せポイントがそっくりもらえます。
一方、WAONは2000円分の上乗せでかなりお得に感じますが、使った金額の10%還元なので2万円を使わないと2000ポイントはもらえません。
半年間の間に使うであろう金額を考えて、あなたに一番お得になるキャッシュレスサービスを選んでください。
クレジットカードでのポイント付与の上乗せは、もともとのポイント還元率にマイナポイントの25%が上乗せされます。
ですから、クレジットカードの場合はもともとのポイント還元のパーセントにさらに25%が上乗せされると考えたほうがわかりやすいかもしれませんね。
マイナンバーカードとキャッシュレス決済の普及が目的?
ここまで、マイナンバーカードのサービスの仕組みと還元率について説明してきました。
25%というビックリの還元率の数字のマイナポイントです。
自治体ポイントと違って、全国でポイントが使えるのも嬉しいメリットですね。
これだけ高い還元率に設定されている理由は、マイナンバーカードとキャッシュレス決済の普及を狙ってのことなんです。
日本でのマイナンバーカードの普及率は、2020年4月時点でわずか16%にとどまっています。
また、電子マネーやQRコードやクレジットカードなどによる支払いのキャッシュレス決済も日本はおよそ20%の利用率です。
日本でキャッシュレス決済が普及しないのは、地震などの災害が多いためにシステムが使えなくなる不安が大きいためと言われています。
それでも、外国の主要各国ではキャッシュレスの普及率は40%~60%台が一般的です。
お隣の韓国では、なんと96%もの普及率です。
そのため、経済産業省はキャッシュレス決済比率を2025年までに4割くらい、将来的には世界最高水準の80%を目指すと発表しました。
そのための一環として、今回のマイナポイントでしょう。
マイナンバーカードを発行して申し込めば、キャッシュレス決済で25%のポイント還元。
このサービスで、マイナンバーカードとキャッシュレス決済を普及させようという考えなんでしょう。
日本政府の2020年度予算案では、マイナポイントの新制度に2458億円を充てると発表されました。
このうち、事務費などを引いたおよそ2000億円がポイントとして配布する分ということなので、計算上では4000万人に5000円のポイントが還元されることになりますね。
今現在、マイナンバーカードの発行は国民の16%で2000万人ちょっとなので、マイナポイントでカード所有率を倍にする狙いということでしょう。
マイナポイントにもデメリットがある?意外な盲点まとめ!
25%もの破格の還元率を誇るマイナポイントですが、高い還元率のメリットがある一方でデメリットはないのでしょうか?
「うまい話には裏がある」じゃないですが、本当にデメリットはないのか不安になりますよね。
結論から言うと、マイナポイントにはあきらかなデメリットはないと言っていいでしょう。
6月までに実施されていたキャッシュレス還元と同じようなシステムと思えば大丈夫です。
これまでのキャッシュレス還元で特に何か大きなデメリットがあったわけではないように、マイナポイント自体にデメリットはありません。
ただし、マイナポイントの利用に際していくつか知っておかないといけないことがあります。
うっかりしやすい部分や、面倒な部分がいくつかあるのは事実です。
盲点になりやすいのもあるので、しっかり読んで頭に入れておいてください。
①1人1人がマイナンバーカードを作らなくてはいけない
当然のことですが、マイナポイントを申し込むにはマイナンバーカードが必須です。
しかも、家族間でのポイント共有はできないので家族1人1人がマイナンバーカードを作る必要があります。
マイナンバーカードの取得の申し込みには顔写真なども必要ですし、申し込んでから手元に来るまでに1ヶ月から2ヶ月くらいかかります。
まだマイナンバーカードを持っていない人にとっては、この部分で少しわずらわしさを感じるかもしれません。
(その手続きが面倒なマイナンバーカードを作ってもらうための国の政策ではあるんですが)
②マイナンバー1つに対して1つのキャッシュレス決済しか選べない
マイナポイントは25%もの高い還元率ですが、ポイント還元されるキャッシュレスサービスは1人あたり1つまでです。
Suicaなどの交通系ICカードでも、キャッシュカードでも、1人につきどれか1つの事業者のキャッシュレス決済しか選べないんです。
ですから、申し込むときに選択するキャッシュレス決済手段は慎重に選ぶ必要があります。
たとえば、こんな失敗をしないように注意です。
- 上乗せ分が多くてお得だと思って選んだら、結局ほとんど使わなかった
- 申し込み時はこのキャッシュレスを多く使うと思ってたけど、実際は違った
マイナポイントの対象に選ぶキャッシュレス決済手段はあとで変更できないので、申し込む前にそれぞれのサービスのサイトを見るなどしてよ~く考えましょう。
ポイント還元は9月1日からですから、申し込むまでにじっくり考える時間はありますよ。
9月1日を過ぎてからでも申し込みはできます。
③支払いもポイント利用も、選んだ1つの決済手段だけでしか使えない
マイナポイントで還元されるポイントは、申し込み時に選んだキャッシュレスでのポイントだけになります。
そのため、還元されたポイントを使いそうなキャッシュレスサービスを選ぶ必要があります。
5000円分のポイントをもらえたはいいけど、有効期限までポイントを使う機会がなかったなんていうのはもったいないですからね。
ポイントをもらうところまでが目的ではないので、還元されたポイントを使うあてがあるサービスを選びましょう。
④ポイント付与の期間は半年間だけ!さらに還元の上限は5000円分まで!
マイナポイントのポイント還元キャンペーン期間は2020年9月1日から2021年3月31日までの半年間です。
キャンペーン期間が終わると、ポイント付与はなくなります。
終了後に新しいポイント還元サービスがまた始まる可能性はありますが、とりあえず半年だけのポイント還元です。
また、25%のポイント還元率でも、還元される上限は5000円分までです。
つまり、2万円のお金を使って25%にあたる5000円分がポイント還元されたら、半年待たずしてポイントがつくのが終わってしまいます。
終了までずっと25%のポイントがつくわけではなく、2021年3月までに5000円分が還元されたらその時点でもらえるポイントは全て終わってしまうことになるんです。
以前のキャッシュレス消費者還元事業は5%の還元率ではありましたが、還元される上限がもっと高かったんです。
クレジットカードはほとんどが上限金額を1回またはひと月に1万5000円相当で、スマホ決済は最大で3万円の月上限でした。
キャッシュレス還元とマイナポイントとの還元率と上限を簡単に比較すると、以下になります。
- キャッシュレス還元:最大5%の還元率で、毎月の上限が1万5000円~3万円分
- マイナポイント:25%の還元率で、半年間での合計の上限が5,000円分
キャッシュレス還元は、それこそ「クレジットカードで30万円の買い物をして1万5000円分の5%の上限を還元してもらうのを毎月くりかえす」なんてことができました。
それに対して、マイナポイントは還元率は25%と高いですが、上限が低めなので大きい金額の買い物をしてもうまみがあまりありません。
キャッシュレス還元のイメージもあって、ここはちょっと錯覚しやすいのでしっかり理解してください。
⑤個人情報の管理や漏洩に不安が全くないわけではない
マイナンバーカードやマイナポイントの申し込みで、個人情報の漏えいの心配が全くないとは言い切れません。
2019年には、7月1日から始まった「7Pay(セブンペイ)」が開始から早くも不正アクセス被害が出てしまった事件がありましたね。
新しく始まるシステムには、脆弱性や個人情報の漏えいでの不正アクセスのリスクへの不安がぬぐい切れないところがあります。
特に、マイナポイントはセブンペイと同じように、日常での買い物など実生活でのお金がからんできますから、特に不安が大きくなりやすいですね。
マイナポイントを利用するメリットが大きいタイプの人とは?
マイナポイントで意外と見落としやすい点をまとめましたが、それを考えてもメリットがとても大きい人はたくさんいます。
マイナポイントを利用するメリットが大きい人って、どんな人でしょうか?
メリットを最大限に受けることができるタイプの人を3つまとめます。
①マイナンバーカードをすでに持っている、もしくは作る予定の人
マイナンバーカードをすでに持っている人は、それだけでマイナポイントを申し込むハードルがグッと低くなります。
手元にマイナンバーカードがあれば、スマホ1台ですぐに予約と申し込みの手続きをすることができますからね。
新型コロナウイルスによるコロナ禍での給付金10万円のオンライン申請のために、マイナンバーカードを取得した人も多いでしょう。
あなたがマイナンバーカードを持っているなら、マイナポイントの申し込みを検討して損はないと思います。
また、マイナポイント関係なくマイナンバーカードを取得する予定の人も、マイナポイントの申し込みを検討してみても良いでしょう。
②半年間で1つのキャッシュレス決済で2万円以上の金額を使う人
マイナポイントの最大のメリットである、25%還元で上限5000円分のポイント付与をゲットするためには2万円を使う必要があります。
2020年9月から2021年3月までの半年の間に、1つのキャッシュレス決済で2万円以上を使う予定がある人は、マイナポイントを利用するメリットが大きいですね。
最大で5000円分のポイント還元というメリットを、最大限に受けることができますよ。
③子供がいる家庭で、複数のキャッシュレス決済を利用している
いろんなキャッシュレス決済を少額ずつ使う場合でも、家族が多いとうまくポイントをもらうことができます。
1つのIDにつき1つのキャッシュレス決済手段しか選べませんが、ポイント還元の対象を本人ではなく15歳未満の未成年の家族に設定することもできます。
たとえば、親のスマホ決済のポイント還元先は親本人で、親のクレジットカードのポイント還元先を子供のマイキーIDに設定することもできるんです。
親と子で別々のキャッシュレス決済手段を選ぶ必要がありますが、子ども名義のキャッシュレス決済がなくても親のポイントを子供の分として還元できるのは嬉しいですね。
いろいろなキャッシュレス決済を利用することが多く、なおかつ子どもがいるご家族はポイントをたくさん還元することができるんですよ。
複数のポイント還元の合計は、けっこうバカにできない金額になります。
ただし、申し込みにはもちろんお子さんのマイナンバーカードも必要です。
25%の還元率だけで決めず、必要性や使う予定をよく考えよう
2020年9月1日から始まる、新制度のマイナポイントについて詳しく解説してまとめました。
- 25%の高いポイント還元率
- キャンペーン期間は2020年9月~2021年3月までのおよそ半年間(7ヶ月間)
- 半年間で最大5000円分のポイント還元(サービスによって上乗せあり)
- 予約と申し込みにはマイナンバーカードが必要
- 1つのIDにつき、1つのキャッシュレス決済しか使えない
- 未成年の子供も対象(子供のマイキーIDを親のポイントの還元先にできる)
簡単に言ってしまうと、「マイナンバーカードを作ってキャッシュレス決済をすれば、使った金額の25%をポイント還元します」ということですね。
ただし、期間中に合計5000円分までのポイント還元になります。
日本政府としては、国民1人あたり5000円を配ってでもマイナンバーカードを持ってほしいという思いなんですね。
マイナポイントを申し込もうか迷ったときは、「マイナンバーカードの発行・取得と普段のキャッシュレス決済の利用」と「5000円分のポイント還元」を天秤にかけてください。
マイナンバーカードを持って、普段の生活で1つのキャッシュレス決済を2万円くらい利用するか。
その手間をかけて、5000円が欲しいかどうか。
こう考えれば、マイナポイントの申し込みが本当に自分に必要かどうか検討しやすくなるでしょう。
還元率25%の数字に惑わされず、あなたに本当に必要なのかを考えてみてください。