JR東海道線の通勤を長年支え続けてきた「湘南ライナー」が、2021年の春をもって終了となることが発表されました。
2021年春にダイヤ改正があるため、新しい時刻表とともに東海道線で特急「湘南」の運転を開始することになったためです。
湘南ライナーだけでなく、「おはようライナー新宿」「ホームライナー小田原」も特急湘南に変わることになります。
では、湘南ライナーが廃止されて特急「湘南」の運行が変わることで、停車駅や料金はどう変わるのでしょうか?
湘南ライナーと特急湘南について、比較してまとめます。
湘南ライナーとは東京と小田原を結ぶ通勤用の列車
湘南ライナーは、東日本旅客鉄道(JR東日本)の東海道本線を運行するホームライナーおよび快速列車になります。
ホームライナー古河・鴻巣やホームライナー千葉などのホームライナーが好評であったことを受けて、1986年に誕生したのが湘南ライナーです。
湘南地域の駅と東京駅・品川駅を結び、湘南から東京都内に通勤する通勤客に重宝されている列車です。
運行は平日だけで、朝と夕方の時間帯のみです。
まさに、通勤のための列車ですね。
ちなみに、新宿駅を通って高崎駅方面へ行く普通列車は「湘南新宿ライン」で、湘南ライナーとは全く違う列車なので混同しないようにしましょう。
湘南ライナーの料金は一律520円!グリーン車もある!
湘南ライナーに乗るためには、520円のライナー券が乗車券や定期券と別に必要になります。
上り(東京・新宿方面行き)のライナー券は1ヶ月単位で発行・販売し、乗車券と組み合わせるライナーセット券も販売されています。
空きがあれば当日にライナー券を購入することもできますが、普段から通勤で利用する人はライナー券を1か月単位であらかじめ買っておく人が多いでしょう。
また、湘南ライナーにはグリーン車(全車が自由席)もあるので、グリーン券を購入しさえすればグリーン車に乗ることもできます。
湘南ライナーの停車駅まとめ!横浜駅に停車しないのが画期的!
湘南ライナーの停車駅は、上り電車の場合は以下のようになります。
カッコ内は、停車しない場合もある駅です。
湘南ライナー停車駅(上り)小田原駅→(国府津駅)→(二宮駅)→(平塚駅)→茅ヶ崎駅→(辻堂駅)→藤沢駅→(大船駅)→品川駅→(新橋駅)→東京駅
停車駅を見ると、湘南地域と東京都内の主要駅とを結んでいる列車であることがわかります。
また、途中で横浜駅に全く停車しないところが大きな特徴と言えるでしょう。
ホームライナー小田原やおはようライナー新宿の場合は、東京都の停車駅が新宿駅と渋谷駅になります。
特急「湘南」の停車駅や料金の詳細まとめ!ライナーとの違いは?
湘南ライナーが特急湘南に格上げ、スワロー化で全車指定席になるのも特徴だけど…
特急踊り子の特急料金も変更され、東京→伊豆急下田の普通指定席が2410円→2100円と安くなるのもポイントね。 pic.twitter.com/GtrKHEQVl5
— ろくいち (@east_japan) November 12, 2020
湘南ライナーが廃止となり特急「湘南」に格上げになりますが、気になるのは停車駅や料金がどう変わるのかということですね。
特急湘南と今までの湘南ライナーとを比較してみます。
はたして、どう変わるのでしょうか?
東京または新宿から小田原までを走る!停車駅は湘南ライナーと同じ?
特急湘南の運行区間は、湘南ライナーと同じで東京または新宿から小田原までとなります。
ただ、途中の停車駅についてはまだ詳しい発表がありません。
しかし、予想としては湘南ライナーと同じ停車駅になるのではないかと思います。
特急「湘南」という名称から、横浜駅に停車することはなく、湘南と東京都内での停車となるでしょう。
料金は特急扱いのため値上げで高くなる?新サービスの割引あり?
特急「湘南」「踊り子」の料金表。 #東海道線 #湘南ライナー pic.twitter.com/0K5vacjwDk
— ざいら (@zaira11000) November 12, 2020
湘南ライナーから特急湘南になることで、一番の気になる要素は料金と言っていいでしょう。
特急湘南など、JRの特急料金は以下になります。
50kmまで | 100㎞まで | 150㎞まで | |
事前料金 | 760円 | 1020円 | 1580円 |
当日車内料金 | 1020円 | 1280円 | 1840円 |
車内料金は、事前料金と比較して全て260円の追加料金が必要となる形ですね。
ライナー券ではなく指定席特急料金になるので、湘南ライナーの520円から値上がりしてしまうことになります。
ただ、「えきねっと会員」限定の「えきねっとチケットレスサービス」を利用してスマホから指定席特急券を購入すれば、100円(こどもは50円)の割引になります。
さらに、2021年9月30日までは期間限定のキャンペーンで300円(こどもは150円)の割引になります。
そのため、50㎞区間に関しては300円割引の期間中は特急湘南のほうが安くなりますね。
50㎞の範囲は、東京駅からだと大船駅まで、品川駅からだと辻堂駅までになります。
そんなに広い範囲ではないですが、乗り降りする駅が当てはまっていれば、キャンペーン中はライナーより安く済むので嬉しいですね。
特急湘南になるメリットは?料金が高いだけではない?
遂に、東海道線の特急がリニューアル車両の統一、踊り子号のスワロー化(全車指定)、湘南ライナー特急化になるのか… pic.twitter.com/PIkxagGpEP
— くりしょー! (@8_show_k) November 12, 2020
湘南ライナーが特急湘南に格上げされることで、乗車するための料金が実質値上げになってしまうことになります。
まぁ、ライナー券の520円という値段が破格すぎたと言えるかもしれませんが、お金がかかってしまうようになるのは残念な気がしますね。
では、料金が高くなる分、メリットは何があるのでしょうか?
一番のメリットは、指定席になることです。
湘南ライナーはグリーン車以外は自由席だったので席の位置を選ぶことができず、始発駅で乗らない限りは良い席に座れないリスクがありました。
しかし、特急湘南は全席指定なので、あらかじめ自分の好きな座席を選んで購入して座ることができます。
特急だから当たり前とも言えますが、指定席になることが大きく違います。
もちろん、乗る列車の時間が決めきれない場合は未指定で購入することも可能です。
その場合は、座席上部のランプの色を見て、すでに予約されている緑のランプの席以外に座りましょう。
また、特急になることで全国のみどりの窓口で予約や購入ができるようになります。
湘南ライナーは乗車できる駅でしかライナー券が買えなかったので、全国のみどりの窓口や「えきねっと会員」でのスマホでの購入など、買う手段が格段に増えます。
湘南ライナーや踊り子の車両の185系や215系はもう見れなくなる?
特急湘南の運行開始によって、朝と夕方に運航していた湘南ライナーと特急「踊り子」がE257系に統一されます。
現在まで活躍してきた185系そして2階建ての215系は引退となってしまうようです。
特に、185系はJR東日本の特急型電車では最後の国鉄型で、引退となるのは時代を感じずにはいられません。
寂しい気持ちもありますが、今までありがとうの気持ちで引退に送り出したいですね。
湘南ライナーの引退と特急湘南の開始に時代の移り変わりを感じる
湘南ライナーと185系を撮れと言われた気がして、
数日前から撮影始めてよかった pic.twitter.com/CKiyT37DeB— ユーノスケ(#KEIKYU) 低浮上 (@Yunosuke_train) November 12, 2020
湘南ライナーが廃止されて特急湘南に格上げされることについてまとめました。
まだ停車駅など詳しいことが未発表でわからない部分はありますが、湘南ライナーと特急湘南との違いを簡単にまとめます。
- 特急料金になるため、ライナー券の520円より値上がりする
- 全席指定になるため、好きな座席を選んで購入できる
- 全国のみどりの窓口や、会員専用のスマホサービスで購入できる
- 特急「踊り子」も含めて、車両は全てE257系に統一される
湘南ライナーが廃止されて特急湘南になり、185系と215系の車両が引退になるということにも時代の流れや移り変わりを感じずにいられません。
1986年の誕生から現在までに35年、多くの通勤客を快適に乗せてきた湘南ライナーがついに引退です。
これまでの活躍にありがとうという気持ちとともに引退を見送りたいですね。